時短
残業時間の削減、俗にいう時短の議論が花盛りだ。かつてコンプライアンスの議論が全盛期を迎えた少しあと、「コンプラ疲れ」という言葉が出現した。ようは、コンプラ、コンプラと強調されるあまり、社内の手続ばかり重厚になり、コンプラを司る管理部門の発言力ばかり強くなって、開発や営業の活力が失われているという趣旨である。さて、時短はどうか。コンプラに似てそれ自体否定する理由はない。一方で、働きたいのに働けないという事態もすでに起きている。事務も営業も企画もいっしょくたにして、その例外たる裁量労働制が置き去りにされることが決まった今、コンプラと同様に企業活力を奪うことにならないか心配である。「コンプラ疲れ」×「時短疲れ」=活力減少→利益減少 にならないか。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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