地銀のピンチ 8
「まさか決済機能が一番先になくなるとは思わなかった。」大手銀行の役員の話である。仮想通貨が現金に取って替わるかはともかく、電子マネーやフィンテックは存在感を増すだろう。とすると、銀行は決済の出入口には関与できず、言ってみれば、水道における水道管の役割を果たすにすぎなくなる。蛇口はフィンテック企業や物流企業におさえられる。日常水道を使う消費者は蛇口を意識することはあっても、水道管を意識することはないだろう。このような決済制度の先行きを前提にすると、店舗やATMは統合の対象ではなく、ただひたすら廃止の対象なのかもしれない。地銀は統合によって、本来一直線に廃止すべき店舗やATMを、統合のち廃止という無駄なステップを踏むことになるのかもしれない。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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