民事信託における委託者の所有権 3
もとの財産の所有者である委託者と受益者が同である典型的な場合(自益信託という)、所有権を移転するからといって、委託者がもとの財産にかかる経済的利益を失うわけではない。実質的に以前と同じである。信託された財産についての受益者として受益権を保有することにより、もとの財産を保有していることと経済的実質に変化は生じない。経済的実質に変化がないため課税の問題も起こらない。ここに信託の妙味がある。また同時にわかりにくいところでもある。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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