民事信託における委託者の所有権 1

 民事信託は昨今メディアでも注目を集めるようになった。ただ、爆発的な普及とまではいっていないように見える。普及の障害となる一つの要因は、信託設定により、財産の所有者がその所有権を失うことにあると言われている。不動産を信託すると、その不動産の所有者は受託者となり、もとの所有者たる委託者はその所有権を失う。登記上も所有権は受託者に移る。このことについての抵抗感は相当なものがある。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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