「紙」でやる議決権行使
多くの企業の株主総会事務を請負う三井住友信託銀行が、長年にわたり、行使期限ぎりぎりに到達した議決権行使書を、事務の便宜を優先して、集計に加えなかったと報じられている(9月24日日経)。同行の姿勢は非難されるべきだ。ただ、問題の本質は、「議決権行使書」という「紙」を、人力で集計するアナログな事務手続きにある。株主総会の招集通知も「紙」だ。そもそもは権利の存在を示す株券も文字通り「紙」だった(今は電子的に登録される)。企業、株主、株主総会事務を司る信託銀行それぞれが電子化を本気で目指さないと、電子行使が一般的になっている欧米に、さらに後れをとることは明らかだ。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
投稿者等 |
---|
奈良 正哉のコラム
-
2024.04.24
奈良 正哉
EVは解なのか
テスラは大苦戦している。EV全体も失速している。EVが順調にシェアを伸ばしていけば、テスラと中国B…
-
2024.04.23
奈良 正哉
物言う社外取締役
機関投資家からの要請で、社外取締役として面談・意見交換を行った。 これまで、社外取締役といえば、…
-
2024.04.22
奈良 正哉
内部通報こそ切り札
内部通報の活用があまり進んでおらず、通報者の30%程度が通報したことを後悔しているとの調査結果があ…
-
2024.04.17
奈良 正哉
紅麹の影響はどこまで
紅麹が問題となった小林製薬は、再発防止策を取締役会で定期に話し合うことにしたそうだ(4月16日日経…