相続登記の簡素化
所有者不明土地(現在でも九州全土より広いと推計されている)のこれ以上の増加を防ぐため、相続登記を罰金により強制する一方、手続を簡素化する方向だ(11月26日日経夕刊)。自分でやるとわかるが、不動産の相続登記は面倒だし、難しいし、金もかかる。「当面」支障がないなら「とりあえず」登記しないのは当然の選択だ。罰金による強制をするなら、とことん手続きを簡素かつ安価(無料)にしてもらいたい。できれば、マイナンバーカードがあれば、ネットで完結できるようにしてもらいたい。ここで、気がかりなのは、そうなると登記を飯の種にしている司法書士の仕事が、なくなってしまうかもしれないことだ。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2024.04.15
奈良 正哉
地方金融機関の受難は続く
相続を期に、地方に住む親から都会に住む子供世代に預金が移動している(4月14日日経参照)。金利が付…
-
2024.04.12
奈良 正哉
廃業・倒産も悪いことばかりじゃない
ゼロゼロ融資の麻酔も切れ始めて、2023年度、廃業・休業は5万件を数え、倒産も9千件を超えた。対し…
-
2024.02.28
空き家問題ニュース
空き家問題は根深いので間欠泉のようにニュースになる(2月28日日経参照)。有効利用しようとしてもそ…
-
2024.02.14
奈良 正哉
成年後見を使いやすく
認知症高齢者の保護のため後見制度がある。これを使いやすくするための検討がなされている(2月14日日…
奈良 正哉のコラム
-
2024.04.26
奈良 正哉
資産運用教育
みずほは社員の年金制度をDC(社員が運用責任を負う)に一本化する。同時に資産運用教育も充実させる(…
-
2024.04.24
奈良 正哉
EVは解なのか
テスラは大苦戦している。EV全体も失速している。EVが順調にシェアを伸ばしていけば、テスラと中国B…
-
2024.04.23
奈良 正哉
物言う社外取締役
機関投資家からの要請で、社外取締役として面談・意見交換を行った。 これまで、社外取締役といえば、…
-
2024.04.22
奈良 正哉
内部通報こそ切り札
内部通報の活用があまり進んでおらず、通報者の30%程度が通報したことを後悔しているとの調査結果があ…