成年後見人は親族で
成年後見人は親族が望ましいとの見解を最高裁が出したということだ(3月19日朝日)。近年は親族ではなく、弁護士や司法書士等の専門職が後見人に就くことが多く、その割合は70%近くあったと記憶している。ところが認知症患者は現在でも400万人近く、近く700万人にもなると言われている中で、専門職に任せていると後見人が足りなくなるのは必定という環境であった。後見人に誰がなるべきかは重要な視点だが、このまま専門職に頼ることは物理的にできないと判断したこともあるだろう。さらに後見制度は家庭裁判所の関与の大きないわば官製システムであるが、家裁のキャパシティーも考えれば、民間あるいは地域社会にその担い手を移していきたいとの思惑も働いてくるだろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2025.08.25
奈良 正哉
合併よりSBI
SBIによる中小地銀への出資が再開した。フジテレビへの北尾氏の役員就任可能性がなくなったからだろう…
-
2025.07.17
奈良 正哉
本音の身の丈ガバナンス
私のコラム群のうちガバナンスに関するものを編集して、SNSのnote の創作大賞2025ビジネス部…
-
2025.07.09
人手不足倒産
人手不足を主因とする倒産が増加している(7月9日日経)。人手不足倒産企業が、キャッシュフロー不足で…
-
2025.02.20
奈良 正哉
認知症でも証券投資
認知症になっても、親族が代理人になって証券投資(新規購入)が続けられるようにするそうだ(2月20日…
奈良 正哉のコラム
-
2025.10.20
奈良 正哉
政界再編の動きの中で
一連の政界再編の動きの中で、玉木氏は評価を下げてしまったようだ。お神輿に乗ってやってもいいが立派な…
-
2025.10.16
奈良 正哉
クマ出没
連日クマ出没のニュースが流れる。以前からクマは出没していたがニュースになるからニュースにしているの…
-
2025.10.15
奈良 正哉
万博工事未払い問題
万博が閉幕した。事前の批判や疑念を覆して興行的には成功だったようだ。公金で赤字補填をしなくてすんで…
-
2025.10.14
奈良 正哉
総理は誰に
政局は面白くなってきた。自民公明のお別れについては、選挙が心配な議員を除いて、自民支持者も議員も学…