民事信託の信託財産 7
不動産を信託してこれを定石通り登記するか否かというのは、ようは相続に関する争いを委託者=被相続人の生前にやるか、死後にやるかという選択の問題だ。委託者の生前であれば、委託者の思いを直接受益者(相続人)等に伝えることができる。委託者の死後はそれができない。だから、委託者の生前は争いが一時表面化してもそれが収まるところに収まる期待がある。死後はそうはいかない。遺言であればその無効が主張されうるのと同様に、信託も無効を主張されうる。受託者は任務懈怠も主張されるだろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2025.12.10
奈良 正哉
ペアローンは鎹
マンション価格が高騰して、夫婦のうち一方の収入では到底購入できなくなった(12月9日日経参照)。そ…
-
2025.11.17
奈良 正哉
城北信金信託免許
城北信金は信用金庫では初となる信託業務の認可を受ける(11月13日日経)。併せて遺言業務など付随業…
-
2025.08.25
奈良 正哉
合併よりSBI
SBIによる中小地銀への出資が再開した。フジテレビへの北尾氏の役員就任可能性がなくなったからだろう…
-
2025.07.17
奈良 正哉
本音の身の丈ガバナンス
私のコラム群のうちガバナンスに関するものを編集して、SNSのnote の創作大賞2025ビジネス部…
奈良 正哉のコラム
-
2025.12.17
奈良 正哉
EUエンジン車禁止撤回
EUは35年以降エンジン車を禁止する目標を撤回する(12月17日日経)。足下で中国EV車に市場を席…
-
2025.12.16
奈良 正哉
JPX内部通報制度審査
JPXは、新規上場に際して内部通報制度の整備状況を審査する(12月12日日経)。オルツの不正会計が…
-
2025.12.15
奈良 正哉
世界投資と一局投資
日経「一目均衡」の「生き残るための世界株投資」に同感である(12月9日日経)。 内容は詳細に渡る…
-
2025.12.12
奈良 正哉
ふるさと納税控除制限
高所得者優遇との批判を受けて、ふるさと納税に税控除額の上限を設定するようだ(12月11日日経)。年…