連載 リスクコンシェルジュ~税務リスク 第36回 消費税増税から1か月…もう対応は終わった?

消費税増税から1か月…もう対応は終わった?

 

 消費税が8%に上がりましたが、経理の方も対応が終わり、1か月問題なく過ごせ、一段落つきました。今後また増税がやってきますが、何か対策しておくことはありますか?

 

 契約書や請求書のひな型の修正はお済みですか?また、すでに契約を結んでいる取引先等との関係でも、覚書等を交わすなどの措置が必要かどうか、再度確認しておくべきでしょう。

 

消費税増税で最も大変だったのは、おそらく経理部の皆様でしょう。もっとも、法務の方でも対応しておかなければならないことがあります。契約書や請求書のチェックです。

 

例えば50万円の商品の売買契約を結び、契約書に代金を記載する場合、

   ・代金50万円(消費税別)

という、いわゆる税抜表示にしますか。それとも

   ・代金54万円(消費税込)

という形で、税込表示にするでしょうか。

 

いずれの記載がなされていたとしても、代金が54万円であることに変わりはありません。ですが、今後税率が変わったらどうなるでしょうか。

ここで危険なのが、税込表示なのです。買主の側が、「消費税込で」54万円、という記載は、消費税率に関係なく商品の代金は54万円だという合意である、という主張をしてきた場合、売主側がこの主張に対抗するのは難しいのです。同じような問題は、継続的契約において、個別契約の締結を請求書の発行と請書の発行によって行うとした場合等の、請求書の記載においても生じます。

 

もっとも、現実的にこのような主張をしてくる取引先はあまりいないでしょう。しかし、無駄なトラブルの種は回避しておくのに越したことはありません。契約書や請求書で、税込表示になっているものがないかチェックし、税抜表示に変更しておきましょう。ひな型を作成されている場合には、ひな型自体に変更を加えておく必要があります。特に契約書については、税抜表示に変更の上、「税法の改正により消費税等の税率が変動した場合には、改正以降における「消費税等相当額」は、変動後の税率を用いて計算する。」という条項を追加で入れておくと、より安全です。

 

増税による影響を悪い方向に拡大させないよう、打てるべき手はきちんと打っておきたいですね。

 

鳥飼総合法律事務所 弁護士 小西 功朗

※ 本記事の内容は、2014年4月現在の法令等に基づいています。
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