リスクコンシェルジュ~知財関連リスク~法務~

  知的財産関連リスク~法務~

 

昨今、企業を取り巻く法的環境は、益々多様な規制が存するようになってきている。しかも、規制に反した場合、法が定めるサンクションのみならず、消費者、取引先等などから反発を受ける事例も散見され、これも事実上、サンクションの機能を果たしている。

そんな中、知的財産権分野の紛争は、増加していると言われる。それは、重視すべき経営資源が「モノ・サービス」から「アイデアやブランド」に移り、社会一般が知的財産権に関する権利意識が高まってきていることが一因だと思われる。

そこで、ビジネス上、切っても切れない関係にあるにもかかわらず、わかりにくい知的財産権に関するリスクに対して、一定の対策をとるべきことを検討して頂きたい。

 

実例

 ●  会社において、コンピューターソフトウエアを無断で利用していた事例 

2001年5月、ソフトウェアーメーカー3社が、大手司法試験予備校に対して、著作権侵害を理由に提訴。合計約8472万円の賠償命令で終結した。同予備校は、法曹養成に携わるため、高いコンプライアンスが求められるにもかかわらずの違反であったこともあり、マスコミにも大きく批判された。

 ●  営業秘密が漏洩される典型例

  ▼USB、FD、PC等記録媒体の紛失

   主因:社内ルールの未整備

  ▼ファイル共有ソフトやフィッシングサイト等への入力

   →主因:社内ルールの未整備

  ▼悪意ある従業員の持ち出し

   →主因:社内ルールの未整備

  ▼ハッカーの攻撃やウィルスの感染

   →ファイヤーウォールの問題

事前の対応策 

 ●  経営者、法務担当者に対する教育機会の付与

  ●  ビジネスと知財の双方に精通する弁護士、弁理士等の適切なサポート体制の確立

 ●  社内における管理体制の構築(対応マニュアルの策定、担当部署の決定、実行部署に対する啓蒙及び仕組みのビルトイン等)

 ●  ビジネスモデルに即した契約書雛形の作成等書類の整備

事後の対応策

 ●  再発防止のため、事案の背景や原因の的確な分析及びそのフォードバック

 ●  被害を最小限に抑えるために、適切な対応(懲罰、刑事告訴等適切な処分、交渉)

 ●  被害の回復及び填補(交渉や裁判の提起等)               

鳥飼総合法律事務所

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