経営者に必須の法務・財務 法務は収益部門である
経営者は法務を収益部門と考えていない。認識不足もよいところである。分かりやすい例を出すと、日本企業より経営効率性が高いアメリカ大企業は、弁護士資格のある法務担当を数百人単位で置いている。法務担当が企業収益に寄与しないなら、こんなに多くの法務担当を置く筈がない。この点だけでも、法務が収益に貢献することが想像できる。
現状の日本の経営において、法務の使い方は間違っているといってよい。企業活動を始めるときに法務を使わず、後で問題が起きたときだけ法務に後始末を押し付けるのが、現状の法務の使い方のほとんどである。これでは、法務は収益部門にならない。
法律は本来、その構造上、先手必勝だからである。相手方に法律上の先手を完全に取られたら、いかに優秀な法務マン・最高の顧問弁護士がいてもどうしようもないのである。
逆にいえば、法務を企業活動の前線に活用して、法律上の先手を取れば、法務は企業の収益部門になれるのである。企業活動は、すべて法律によって規制されている法律的活動に他ならないからである。
したがって、企業活動をするときに、将来におけるリスク・利益に関する事項を洗い出し、企業の最大利益を確保するために法務が活躍する事で、その取引の利益を確保し、他方、その取引からのリスクをヘッジできる。これは企業における収益確保の行動に他ならない。
次回には、その例を示したい。
(文責 鳥飼重和)
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