NHK新会長

 NHK新会長は内部昇格となった。改革には内部をよく知る人が適任とされた。しかし、一方では、外部のなり手がいなかったのではないかとも思われる。

 減り続ける受信料に対して有効な手が打てるとも思えない。なんといっても若年層を中心にテレビ離れが進む。番組への批判も多い。

 他方、NHK会長は兼職できないし報酬もさほど高くないとも聞いた記憶がある。そのような処遇で火中の栗を拾うような人は、民間から見つけられなかったという事情もあるかもしれない(あくまで推測だが)。

 そもそも国営放送というものは必要なのだろうか。全国民に一斉に知らせる必要のあるニュース(例えば地震や津波)はすでに民放が伝えている。それでも不足なら要件を定めて、政府が一時期に一斉に民放に介入できるとしたらいい。不当介入は心配だが、不当ならのちに国民から糾弾される(投票で)だろう。

 一律に視聴料を徴取するという甘えた収入構造も抜本的な変革を妨げる。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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