万博工事未払い問題

 万博が閉幕した。事前の批判や疑念を覆して興行的には成功だったようだ。公金で赤字補填をしなくてすんでやれやれだ。

 もっとも、工事代金の未払い問題は解決していない。未払いが発生しているのは複数のパビリオンに及ぶ。元受が外資系のGLイベンツという会社の工事の下請け代金だ。万博のパビリオン工事は、工期の短さや進入路の制限などで大手ゼネコンはみんな尻込みしていた。それを「よくわからない(失礼)」業者が引き取ったのだろう。

 元受けの信用をよく調査しないで下請けに入ったのがまずかった。万博という公的事業だから大丈夫だろうと高を括っていたのかもしれない。下請け業者には酷ないい方だが自己責任だ。解体でも同じ問題の発生が懸念されているともいわれている。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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