中小企業に成り下がる

 資本金を1億円以下に減資して中小企業になると節税できる。これを利用してコロナで打撃を受けた「大」企業が中小企業に成り下がったケースが多数あった。今般それを防ぐ方策を総務省がまとめた(11月7日、8日日経)。
 そもそも、経産省には中小企業庁なるものがあって、公的に中小企業を支援しようとしている。さらに中小企業を税制でも優遇する趣旨がわからない。中小企業は大企業に成り上がって、生産性を上げ、雇用を生み、収益を上げ、税金をたくさん払うことこそが奨励されるべきではないのか。日本の制度は逆ベクトルである。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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