SMBC日興証券相場操縦

 SMBC日興証券の副社長ら幹部の相場操縦事件の公判が始まった。被告は否認している。これまで見てきた「少数」の金商法関連事件では、疑わしきは罰するという運営(判決)がなされているような印象を受けることがある。もちろん、「疑わしきは罰せず」が刑法の基本原則だ。
 風説(うわさ)を流して他人に売買をさせて相場を操縦するという手口はともかく、自己の金で多額の売買をした際には、相場は一方方向に動くだろうし、逆に流れに逆らう取引なら安定することもあるだろう。相場を操縦する意図をもってやったのかの判断は難しい。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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