無形事業資産担保融資
企業借入の担保は不動産に偏っている。金融庁主導で、担保種類を、将来のキャッシュフローを生むであろう、技術力やのれんなどの無形資産に広げようとしている(1月25日日経)。もっとも、無形資産を含むすべての事業資産を担保にすることは「事業信託」として経験したことがある。本質は変わらないものの、公示や執行についても制度化しようということなのだろう。
しかし、担保権者たる信託会社(銀行)が技術力など無形の資産を評価し、これらを管理するには相応の費用がかかる。これを補ってなお有利な条件で借入ができるとすれば、その企業はもともと無担保でも借りられる優良企業か、大企業に限られるのではないか。少なくとも、中小企業の事業承継などには無縁の制度となりそうだ。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2025.12.04
奈良 正哉
いつまで伊東市長・前橋市長
いまも伊東市長と前橋市長の動向が報道されている。バッシング目的だ。両市の住民でない大多数の国民には…
-
2025.12.03
奈良 正哉
中国経済悲観証拠
中国の日本に対する嫌がらせは尻すぼみになってきた。背景には中国経済の顕著な悪化があるだろう。日経に…
-
2025.12.01
奈良 正哉
当番弁護士登録者減少
刑事事件の弁護にあたる当番弁護という制度がある。そのまま国選弁護に流れるケースがほとんどだ。この「…
-
2025.11.27
奈良 正哉
日中長期金利逆転
10年国債の金利が日中で逆転した。両者とも1.8%の前半である(11月26日日経)。 円国債につ…
奈良 正哉のコラム
-
2025.12.04
奈良 正哉
いつまで伊東市長・前橋市長
いまも伊東市長と前橋市長の動向が報道されている。バッシング目的だ。両市の住民でない大多数の国民には…
-
2025.12.03
奈良 正哉
中国経済悲観証拠
中国の日本に対する嫌がらせは尻すぼみになってきた。背景には中国経済の顕著な悪化があるだろう。日経に…
-
2025.12.01
奈良 正哉
当番弁護士登録者減少
刑事事件の弁護にあたる当番弁護という制度がある。そのまま国選弁護に流れるケースがほとんどだ。この「…
-
2025.11.27
奈良 正哉
日中長期金利逆転
10年国債の金利が日中で逆転した。両者とも1.8%の前半である(11月26日日経)。 円国債につ…