ゾンビ企業をいつまで救済するのか

 ゾンビ企業の延命を支えるのはゼロゼロ融資、それを支えるのは国の財政支援による都道府県を通じた利子補給と、信用保証協会を通じた返済の肩代わりだ(12月14日日経参照)。お金に色はないが、財政支援の財源は結局税金だろう。税金でゾンビ企業を支えていることになる。
 中小企業は弱者であり、弱者救済は「正義」である。そのために信用保証協会があり中小企業庁がある。「正義」を貫くため税金が投入され、ゾンビ企業延命によって事業の再編が阻害される。そして、日本産業の全体の生産性も低迷させられている構図ではないか。弱者救済には野党はもちろん、与党も異論をはさまない。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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