暗号資産の倒産隔離
暗号資産交換業者大手のFTXが破綻した。注目しているのは顧客預かり資産の保護だ。日本法人では、いくつかの種類の暗号資産と円貨が、FTXの固有財産とは別に、分別保管されている建前になっている。これが建前通り実際にも分別管理されていて、FTXの固有財産と区別されていれば全額保護される。顧客は早晩全額を引き出せることになるだろう。そうではなくて一部でも固有財産と混蔵されていると危ない。
この事態は、信託の分別管理に通じるところがある。信託金銭の分別管理については、実際のところ倒産隔離効があるのか、疑問も呈されているところである。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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