仏作って徐々に魂入れる

 東証1部の8割がプライム市場に移行した。そのプライム市場基準を現状満たしていない企業の株に、買いが集まっているらしい。今後、基準を満たすための企業努力によって、ガバナンスを含めて企業価値が高まる期待があるのだろう。
 他方、主要上場企業のうち51%が女性取締役がいないそうだ(2021年12月25日日経)。「ガバナンスの形式だけ整えても意味はない」という意見はよく聞く。だがガバナンスやリスク管理は形式からというのが持論である。「仏作って魂入れず」との格言はあるが、仏がないと魂を入れようがない。仏(形式)が作られれば、徐々に実質も整ってくるものである。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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