ガバナンス地獄

 今週号の東洋経済の見出しは、「ガバナンス地獄」だ。ガバナンスとは企業統治のことである。最近よく聞くESGのうちのGだ。このガバナンスを良くしようと言う取組が各企業でなされているが、同紙はこれを「地獄」と表現している。
 同紙が取り上げているのは、コーポレートガバナンスコード(企業統治指針)と東証の新プライム市場(真に優良な企業だけで構成)構想だ。これらが要求する水準・基準を満たそうとすると、企業によっては、のたうち回るような事態を引き起こしかねないとして、それを「地獄」と表現している。
 まあ、拙速にこれらの水準を満たそうとして「地獄」を見る必要もなく、身の丈にあった統治の仕組みを徐々に備えていけばいいのではないかと思うが。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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