西川流企業統治
西川善文、元住友銀行頭取、日本郵政初代社長の著書の宣伝が、たびたび日経に載っている。外野の憶測だが、日本郵政グループの度重なる不祥事の遠因は、西川氏が持ち込んだ住友銀行流の企業統治と、もともとの郵便局の組織風土とのミスマッチではなかったか。住友銀行は都銀の中でも群を抜く厳しい組織風土であった。対して、郵便局はのんびりした組織風土であったろう。社長の命令は絶対であり、正義であり、目標は達成しなければならない。これが住友銀行の行員にはできた。しかし、郵便局員にはできなかった。絶対であり正義であってもできないものはできない。だからごまかした。それが、多くの不祥事を生んだ組織風土を醸成していったのだろう。
りそな銀行を再生した細谷氏や、JALを再生した稲盛氏のような幸運な例はある。しかし、落下傘経営者が組織を壊してしまった例もある。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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