手形廃止
永らく企業間の決済手段として使われてきた「手形」が、やっと廃止される方向だ(2月18日日経)。手形は換価性の高い有価物だから、発行や受領をする企業も、手形交換を通じて決済の仲介をする銀行も大変気を遣う。事務過誤や事故も多かった。資金繰りを粉飾する「融通手形」なる言葉もあった。
かつて手形交換事務でミスを犯した銀行が、加盟する手形交換所から処分を受けて、それが取締役会に報告された、当時の社外取締役が「手形交換などという遺物は止めてしまえ」と言った。もちろん、手形交換の中心にいる銀行が業務を止めるわけにいかなかった。それが20年以上の歳月を経て実現されそうだ。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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