大統領の言論の自由の侵害
トランプ氏のアカウントをTwitter社が永久閉鎖したことについて、欧州当局者などから批判の声が上がっている。言論の自由という基本的人権を同社が侵害している、ということだ。そもそも基本的人権の侵害主体は国家権力であり、侵害被害者は個人である。そして、憲法により侵害が禁止される。
ところが、今回の侵害主体はTwitter社という私企業で、侵害被害者は米国大統領という、個人でもあるが、国家権力でもあるような人だ。Twitter社を含むSNS各社は、こと言論については、個々の国家権力よりも強力で影響力が強いという認識なのだろう。
こうした企業の勃興は最近のことで、ほとんどすべてが米国企業であり、日本企業ではないことが寂しい。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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