ゆうちょ銀行やかんぽ生命はまともな民間金融機関になれるのか

 かんぽ生命の高齢者を狙った押込み販売が問題になっているが、同グループのゆうちょ銀行についても、現状のままでまともな民間金融になれるのか疑問がある。筆者の身近に起こった相続を例にする。ゆうちょ銀行を含む複数の銀行に相続発生の電話をしたが、ゆうちょ銀行だけ長時間回線混雑によりホールドされた。また、他行はまずはお悔やみの言葉が聞かれたが、ゆうちょ銀行からはなかった。また、他行は親切に手続きの概要を教えてくれたが、ゆうちょ銀行は近隣の郵便局に行け、の一点張りであった。また、他行は即時に預金の支払い停止をかけたが、ゆうちょ銀行は郵便局に相続人のうちの誰かが行くまで支払停止をかけないそうだ。このようなレベルの常識や事務手続きしかできない銀行が、生保や投信などリスクのある商品について、適合性原則という微妙な法規を踏まえた営業ができるとはとても思えないがどうだろうか。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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