社外取締役の実効性 運営の問題
取締役会の議事が多い、したがって取締役会資料も大部にわたる会社が多いのではないか。「当社の取締役会には山羊が住んでいるのか。」と皮肉を言った取締役がいた。なんでも取締役会に報告しておけば、後から痛くもない腹を探られる心配はない。資料として提出されていれば報告した証拠になる。ということで、議事と資料は自然法則のように増える。大量の資料を直前に渡されても社外取締役は目を通すことすらできない。事務局による事前説明も一方的な説明になりがちだ。なんとかして議事と資料を最低限に固定しないと、取締役会の実効性、とくに社外取締役の実効性の向上は難しい。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
| 投稿者等 | |
|---|---|
| 業務分野 |
関連するコラム
-
2025.08.25
奈良 正哉
合併よりSBI
SBIによる中小地銀への出資が再開した。フジテレビへの北尾氏の役員就任可能性がなくなったからだろう…
-
2025.08.05
奈良 正哉
キリン経営会議にAI役員
キリンは経営会議にAI役員を出席させる(AIを導入する)(8月4日日経)。社内外の情報を学習させて…
-
2025.07.17
奈良 正哉
本音の身の丈ガバナンス
私のコラム群のうちガバナンスに関するものを編集して、SNSのnote の創作大賞2025ビジネス部…
-
2025.03.18
島村 謙
労働市場の変化と非上場企業の効率性
東京証券取引所が、MBO(経営陣が参加する買収)に関する新しいルールを設ける旨が報じられています(…
奈良 正哉のコラム
-
2025.11.12
奈良 正哉
マグダニ新ニューヨーク市長誕生
ニューヨークでマグダニ新市長が誕生した。急進左派、移民、イスラム教徒だ。富裕層増税、家賃凍結などを…
-
2025.11.11
奈良 正哉
オルツ不正会計、弱小監査法人の限界
「オルツ不正会計の波紋」として日経に連続記事が掲載されていた。直接帰責させているわけではないが、弱…
-
2025.11.07
奈良 正哉
建設業3K脱出でも
大手建設会社大林組が建設現場にカフェ風休憩所を作った(11月6日日経)。建設業界の3K(きつい、汚…
-
2025.11.05
奈良 正哉
オーバーツーリズムの裏で
インバウンドによるオーバーツーリズムの反対現象として、日本人の国内観光は減少している。前年同期(1…