社外取締役の実効性 運営の問題
取締役会の議事が多い、したがって取締役会資料も大部にわたる会社が多いのではないか。「当社の取締役会には山羊が住んでいるのか。」と皮肉を言った取締役がいた。なんでも取締役会に報告しておけば、後から痛くもない腹を探られる心配はない。資料として提出されていれば報告した証拠になる。ということで、議事と資料は自然法則のように増える。大量の資料を直前に渡されても社外取締役は目を通すことすらできない。事務局による事前説明も一方的な説明になりがちだ。なんとかして議事と資料を最低限に固定しないと、取締役会の実効性、とくに社外取締役の実効性の向上は難しい。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
投稿者等 | |
---|---|
業務分野 |
関連するコラム
-
2024.06.18
島村 謙
株主総会の答弁で大切なこと
1.株主総会の現代的な意義 ガバナンスコード等の影響により、機関投資家の株主にとっては、経営陣と直接…
-
2024.05.14
横地 未央
障害のある人への「合理的配慮の提供」はできていますか
2024年4月1日から、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(以下「障害者差別解消法」と…
-
2024.05.14
山田 重則
弁護士が使う、文章の説得力を高めるための5つの視点
2024年4月3日(水)12時~13時にて、「弁護士が使う、文章の説得力を高めるための5つの視点」の…
-
2024.04.12
奈良 正哉
廃業・倒産も悪いことばかりじゃない
ゼロゼロ融資の麻酔も切れ始めて、2023年度、廃業・休業は5万件を数え、倒産も9千件を超えた。対し…
奈良 正哉のコラム
-
2024.09.11
奈良 正哉
中国地方政府は罰金で食う
中国地方政府は不動産不況で税収不足に悩んでいる。これを補填するため罰金に目を付けた。交通法規違反は…
-
2024.09.10
奈良 正哉
株式報酬の拡大
株式報酬を役員から従業員にまで拡大する動きが加速している(9月10日日経)。従業員の経営参加意識の…
-
2024.09.09
奈良 正哉
ネット銀行口座4,000万
楽天など主要ネット銀行の口座数が合計で4,000万となり、メガバンク合計の半分となった。半面、信用…
-
2024.09.06
奈良 正哉
伊藤忠年収引上げ1割
伊藤忠が年収を大幅に引き上げる。課長で3,620万円になるケースもあるそうだ(9月6日日経)。ちな…