社外取締役の実効性 運営の問題
取締役会の議事が多い、したがって取締役会資料も大部にわたる会社が多いのではないか。「当社の取締役会には山羊が住んでいるのか。」と皮肉を言った取締役がいた。なんでも取締役会に報告しておけば、後から痛くもない腹を探られる心配はない。資料として提出されていれば報告した証拠になる。ということで、議事と資料は自然法則のように増える。大量の資料を直前に渡されても社外取締役は目を通すことすらできない。事務局による事前説明も一方的な説明になりがちだ。なんとかして議事と資料を最低限に固定しないと、取締役会の実効性、とくに社外取締役の実効性の向上は難しい。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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