独居高齢者の経済的保護
11月26日日経に高齢独居者が急増していることが紹介されている。記事は、介護や医療など高齢者の物理的な保護に焦点が当てられている。他方、高齢者には財産が偏在しており、判断能力の衰えから経済犯罪の被害に遭うことが多発しており、経済的な保護も待ったなしである。この点銀行によっては、引出しに高齢預金者に加え親族や士業の確認も必要な引出制限預金を導入したり、民事信託の利用を勧めたりしている。もちろん、後見やホームロイヤーの利用も考慮されるべきだ。もっとも、これらの世間での認知は十分ではない。高齢者保護そのものは金融機関にとってなんら収益をもたらせるものではないが、店頭での告知宣伝ももっとされてもいいのではないか。特に高齢独居者は身の回りに支援者はいない。うかうかすると、高齢独居者急増=経済犯罪急増の構図に陥りかねない。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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