IR法制
IR法制(俗称カジノ法制)の議論において注目を集めるのが、ギャンブル依存症対策である。日本人の入場制限や入場の際のマイナンバーカードの提示などが議論されている。ただ、依存症といえば、もっと人体に直接影響のある依存症もある。ニコチンやアルコールだ。こちらは、一日の摂取量制限などが議論されたことはない。制限もできないということなのだろう。他方同じギャンブルでも、例えば競馬について、勝ち馬投票券の購入制限や、競馬場への入場制限などは聞いたことがない。また現在の日本におけるギャンブル依存症といえば、その実質はパチンコ依存症である。パチンコにおいては、本人の依存症のみならず、夏場に駐車中の車内に放置された子供が死亡するような事件まで起きている。IRに関連してだけことさら依存症を取り上げ、他のギャンブルを議論の俎上にも乗せないのはバランスを欠くような気がする。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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