鳥飼総合法律事務所

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リスクコンシェルジュ~税務リスク 第1回 税務調査の対応

 
投稿者
鳥飼総合法律事務所
取扱分野
税務
 

  1回 税務調査の対応  

 Q 税務調査の対応 先日、弊社は税務調査を受けましたが、調査の過程で、税務署の職員が修正申告を強く求めて来ました。顧問税理士と相談したところ、「税務署の言い分は納得できない面もあるが、修正申告に応じないとその後が大変です。修正申告に応じることも一つの方法です。」とおっしゃっています。弊社は、どのような対応をとるべきでしょうか?

 

 修正申告に応じない場合、課税処分がなされる可能性が高く、異議申立や審査請求、訴訟による対応が必要となります。訴訟対応等のコストを踏まえれば、修正申告に応じてしまうのも一つの方法です。税務署の言い分が正しいのか否か、訴訟等に発展するとどうなるかなど、見通しをよりはっきりさせて結論を出したい場合には、税務を専門とする弁護士等と相談のうえで対応を決めるという方法もあります。

 

[解説]

1.修正申告に応じないとどうなるのか?

 修正申告は、本来、納税者が任意に行う手続きですから、これを求められたとしても、貴社はこれに応じる義務はありません。修正申告に応じてしまうと、その内容についてはもはや裁判等で争うことも原則としてできなくなります。
 他方で、修正申告に応じない場合、課税庁は、課税処分を行ってくる可能性が高いといえます。課税処分に対しては、異議申立や審査請求という手続きや、訴訟によって争うことができますが、異議申立や審査請求、訴訟には、時間も費用もかかります。
 そこで、金額が小さい場合などでは修正申告に応じてしまうのも合理的な方法といえます。
 しかし、金額大きい場合や、課税庁の言い分が納得できない場合などでは、訴訟等に移行した場合の見通しも踏まえた慎重な判断をすべく、税務を専門とする弁護士等と相談のうえ、対応を決めるという方法もあります。

2.平成23年度税制改正を踏まえた対処法

 平成23年度税制改正(第二次改正)で、税法の改正がなされ、調査が終了した際、何らかの問題があった場合には、税務職員は納税者に修正申告を求めることができる旨が明記されました。しかし、残念なことに、その場合に、税務職員に書面の交付を義務付ける規定は採用されませんでした。とはいえ、税務職員が修正申告を求める理由は、その後の訴訟等を見通すうえでも極めて重要な情報です。十分に理由を聞き出し、メモをとるなどしたうえで、慎重な検討を行うことが肝要です。

鳥飼総合法律事務所 弁護士  島村 謙

※ 本記事の内容は、2012年8月現在の法令等に基づいています。

 

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