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国税OBが緊急寄稿!!所得税法は“生身の人間”を対象 臨時的な所得に対する課税

 
投稿者
鳥飼総合法律事務所
取扱分野
税務
 

第29回 臨時的な所得に対する課税

 プロ野球がシーズンオフになると、有名選手の契約更改で新聞紙上を賑わせます。このような契約金などに対する課税はどのようになるのでしょうか。所得税法は、原則として一年間の所得を総合した上で、10%~37%の超過累進税率を適用する累進課税制度を採用しております。このため、毎年経常的に発生する所得を各年に課税する場合と、数年間に一度という臨時的に発生する所得をその発生年分で一括して課税する場合とでは、その納税者の納める所得税額をトータルすると税負担が異なってくることになります。そこで、所得税法では、所得の性質に応じて超過累進税率を緩和する措置として、[1] 長期譲渡所得や一時所得に対する2分の1総合課税、[2] 退職所得に対する2分の1分離課税、[3] 山林所得に対する5分5乗方式による分離課税、[4] 臨時所得や変動所得に対する5分5乗方式(平均課税)による総合課税の制度が設けられております。
 これらの臨時的・偶発的な所得のうちの臨時所得とは、役務の提供を約することにより一時に取得する契約金や不動産の貸付けに係る権利金などの一定の所得をいいます。具体的には、次のものがこれに該当します。
(1) プロ野球の選手などが3年以上の期間の専属契約に際して受ける契約金で、その金額が報酬年額の2倍以上であるもの
(2) 不動産等を3年以上の期間にわたって貸し付けることにより受ける権利金、頭金等で、その金額が使用料年額の2倍以上であるもの
(3) 業務の休止、廃止等により受ける保証金で、3年以上の期間の所得に係るもの
(4) 鉱害等により業務用資産に被害を受けた場合の補償金で、3年以上の期間の所得に係るもの
(5) 上記の(1)から(4)までに類するもの
 なお、5分5乗方式とは、所得金額の5分の1に相当する金額に税率を乗じ、求められた税額を5倍した上で納付する税額を算出する方法をいい、変動所得と臨時所得については、その合計額が総所得金額の20%以上である場合に、平均課税を選択して超過累進税率の緩和をする方法が採用されております。平均課税をいうのは、一種の5分5乗方式ということができます。プロ野球の選手などが受ける契約金も、上記の要件に該当すると、平均課税を選択することができるのです。

 

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