税理士はかわいそう
「税理士ミス訴え頻発(12月10日日経)」にあるように、税理士が顧客から訴えられて損害を賠償する保険の支払も急増しているようだ。記事中に解説があるが、私見では税制が難しすぎて、かつ改正が頻繁すぎて、税理士の知識がついていけないことに根本的な原因があるのではないか。その象徴が事業承継税制およびその特例である。条文を読んだだけでは絶対にわからない。解説書を読んでも今一つわからない。プロの解説を聞いてもわかったような気にしかならない。とても顧客に勧められない。という代物ではないか。税制には背骨がない。時々の経済政策、産業政策で次々と改正されたり、特例が出来たりする。それを高齢化が進む税理士が一人でフォローするのは無理ではないか。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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