鳥飼総合法律事務所

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連載 リスクコンシェルジュ~税務リスク 第81回 マイナンバーへの対応の時期

 
投稿者
鳥飼総合法律事務所
取扱分野
税務
 

マイナンバーへの対応の時期

Q 本年1月よりマイナンバー制度が導入されましたが、従業員からは、昨年中にマイナンバーの記載のない扶養控除等申告書を受領しているため、まだ誰からもマイナンバーの提示を受けていません。本格的にマイナンバーへの対応が必要なのは、本年の年末調整のときからと考えてよろしいでしょうか?

 

A 新入社員からは、入社の際にマイナンバーの提示を受ける必要があります。
    また、従業員の住所や扶養親族の変更等があった場合にも、同様にマイナンバーの提示を受ける必要があります。

 

[解説]

1.マイナンバー制度の導入

昨年中は、マイナンバーに関するセミナーが各所で行われ、企業もその対応に追われたことと思いますが、昨年10月より開始された通知カードの郵送や法人番号の公表等が一段落し、本年に入って実際の運用がスタートいたしました。ところで、利子・配当等の受領者は、マイナンバーを金融機関に伝える必要がありますが、既存の顧客については3年間の猶予が設けられているということもあり、金融機関等を含めても、実際にマイナンバーが使用される場面はまだまだ限られているのが現状です。また、マイナンバーカードの申請が低調であったり、多数の通知カードが個人の手元に届いていないなどの問題も散見されています。

 

2.給与の支払いとマイナンバー

 給与等の支払いを受ける者は、毎年最初の給与の支給日の前日までに、当該年分の扶養控除等申告書を会社に提出する必要があります。多くの会社では、年末調整の実施の際、翌年分の扶養控除等申告書を提出させるケースが多いと思います。昨年末に本年分の扶養控除等申告書の提出を受ける分には、まだマイナンバー制度の導入前でしたので、マイナンバーの記入や通知カード等の提示は不要でした。

しかし、本年に入って新たに雇用した従業員からは、最初の給与等の支給日の前日までに扶養控除等申告書を受領する必要があり、本年1月以降に扶養控除等申告書の提出を受ける場合、新法が適用されますので、当該申告書はマイナンバーの記載欄のある新様式によることとされています。

 また、いったん提出を受けた扶養控除等申告書に異動が生じた場合、すなわち、住所の変更やご子息の就職等により扶養親族に変更があったなどの場合には、異動申告書を提出する必要がありますが、この場合も新法の適用となるため、既存の従業員であっても、異動が生じたタイミングにおいてマイナンバーの提示を求める必要があります。

 

 

3.2種類の源泉徴収票(税務署提出用・本人交付用)

給与所得の源泉徴収票は、制度の導入に伴い、様式が一新されました。受給者のマイナンバーだけでなく、扶養親族等のマイナンバーの記載も必要となったことで、サイズもA6からA5へと変更されています。また、本人に交付される源泉徴収票については、当初の法令ではマイナンバーを記載することとされていましたが、給与所得者が別の用途で源泉徴収票を使用する可能性があることから、マイナンバーの漏洩を防ぐため、本人交付用のものにはマイナンバーが記載されないこととなりました。

給与支払の事務は以前より煩雑になっておりますので、担当者の方はご留意ください。

 

鳥飼総合法律事務所 税理士 窪澤 朋子

 

※本記事の内容は、2016年1月現在の法令に基づいています。

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