鳥飼総合法律事務所

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連載 リスクコンシェルジュ~税務リスク 第26回 ファクシミリや電子メールを使うと印紙を貼らなくてよい?

 
投稿者
鳥飼総合法律事務所
取扱分野
税務
 

ファクシミリや電子メールを使うと印紙を貼らなくてよい?

 

Q: ファクシミリや電子メールによる送信をすれば、送信者及び受信者の手元に残る書面に印紙を貼る必要はないと聞いたことがあるのですが、本当なのでしょうか?

 

A: 本当です。

送信者が送信のために作成した文書を保管する場合であっても、その文書に印紙を貼付する必要はありません。また、同様に、受信者が受信したファクシミリ文書や電子メールをプリントアウトした文書を保管する場合であっても、その文書に印紙を貼付する必要はありません。

 

[解説]

印紙税法では、課税文書の作成者に対してその作成した課税文書につき、印紙税を納める義務を課していますが(印紙税法3①)、この「作成」とは、単なる課税文書の調製行為をいうのではなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいいます(印紙税基本通達44条①)。また、課税文書の作成者は、課税文書の作成の時までに、当該課税文書に印紙を貼り付ける方法により、印紙税を納付しなければならないこととされています(印紙税法8①)。この「作成の時」とは、当該文書の目的に従って行使する時であることから、具体的には、相手方に交付する目的で作成される課税文書は、当該交付の時とされています(印紙税基本通達44条①)。

したがって、相手方に交付する目的で作成した文書であっても、ファクシミリや電子メールにより相手方に対して提出する場合には、実際に文書の交付が行われていません(当該文書の目的に従って行使されていません)から、課税物件は存在しないこととなり、印紙税の課税原因は発生しません。また、ファクシミリや電子メールを受信した相手方がプリントアウトした文書は、コピーした文書と同様のものと認められる(実際に交付された文書ではない)ことから、課税文書としては取り扱われません。

ただし、ファクシミリや電子メールにより課税事項が記載された文書を送信した後に、改めて正本となる文書を郵送や持参するなどの方法により遣り取りするときは、その正本となる文書には印紙の貼付が必要となります。

 

鳥飼総合法律事務所 税理士  佐野 幸雄

※ 本記事の内容は、2013年11月現在の法令等に基づいています。

 

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