認知症患者の金融資産
2030年には認知症患者の保有する金融資産が215兆円にもなり、その凍結が喫緊の課題になるとの記事がある(8月26日日経)。認知症になれば経済合理性に基づいた判断ができないのだから凍結されるのはやむを得ない。資産はそのまま死亡時まで塩漬けされるか、同居親族などによって便宜的に引き出されて、後の相続のトラブルの原因となるのが関の山だ。仮に成年後見人が選任されても、成年後見人はなるべく本人の資産を減らさないように行為するから(逆に言えば、家族や地域社会のために「不要な」支出はしないから)、塩漬けは程度問題ということになる。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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