監査役への期待はずれ?

 企業不祥事が起きるたびに非難もされ、逆に新たに期待もされるものの一つが監査役である。不祥事を監査役に優先報告させようという経産省のガバナンス指針もその表れだろう(5月20日日経)。多くの企業で内部昇格監査役は「あがり」のポストだ。その後取締役になったり、いわんや社長になったりすることはない。役員未経験者も多いから執行部門役員への発言も遠慮がちになる。取締役と違い守り専門だからその分報酬も低くなりがちだ。このような状況で、「大きな期待を寄せられてもちょっと・・・」という感想を持つ現役監査役は多いのではないか。監査役ポストの重みを増さないと、期待だけしても機能しない。

鳥飼総合法律事務所  弁護士 奈良正哉

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