スルガの茨の道
シェアハウス問題で経営危機に陥ったスルガ銀行は、シェアハウスオーナーの借入金を、担保であるシェアハウスと交換で棒引きするそうだ(11月21日日経)。借入人が一番望んでいた解決であり、反対に、スルガ銀行にとって一番負担の重い解決策であろう。物件は賃貸状況の仮装で大幅に価値が水増しされていたし、融資のほうも頭金部分も含め過剰に貸していたケースが多発していた。だから、現在の借入金の残高と物件の価値はかけ離れたものになっているだろう。その分は会計的に引き当てているとのことであるが、スルガ銀行がシェアハウス賃貸業をやるわけにもいかないので、いずれ市場で売るのだろう。たたき売りになってしまうことが懸念される。記事にもあるように、これら一連の問題を処理しても、今後スルガはどうやって生きていくのか。ビジネスモデルの構築は茨の道だ。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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