「自分には相場はわからない」

 確定拠出年金のポートフォリオを、預金など元本保証商品からリスクのある投信などに移す動きが進行しているとのことだ(10月7日日経「隣のインベスター」)。そのこと自体はいいことだ。ただ、記事中に、個人投資家の発言として気になるものがいくつかあった。たとえば、「コロナ(による株下げ)をチャンスかもしれないと思い」、「友人に有望と聞いた米国株投信」などだ。個人投資家に投資時期や投資対象の良し悪しは判断できない。プロのファンドマネージャーやアナリストが血道をあげて、これらを探るがそんなにうまくいくものではない。素人ならなおさらだ。資金を預金等から投信等に移すにしても、4回、5回ではなく、何年もかけて移し、リスクを分散させるべきだ。移す対象も一つの銘柄や市場ではなく、広く分散させるべきだ。「自分には相場はわからない」認識が個人投資の大前提だ。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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奈良 正哉

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