死んだら手続迷路
一般紙はおろか女性誌まで、先週あたりから、親が死んだらどんな手続きが必要かという記事が組まれている。「死んだら特集」が盛んな理由は、現在でも年間130万人の人が亡くなっているが、今後ますます死者が増える多死社会に入りつつあることと、死をタブー視しなくなった社会風潮があるのだろう。それにしても各紙で整理した死後の手続きを見ると目もくらむ。弁護士であってもスムースに手続きができるような気がしない。また、役所と違って銀行や証券会社などの民間はそれぞれ手続きが異なる。相続法の改正で、亡くなった人の銀行預金口座からの当座の金の引出しが若干簡便になるが、これも各銀行で手続きが異なるだろう。相続人は余計に混乱するかもしれない。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2024.04.15
奈良 正哉
地方金融機関の受難は続く
相続を期に、地方に住む親から都会に住む子供世代に預金が移動している(4月14日日経参照)。金利が付…
-
2024.04.12
奈良 正哉
廃業・倒産も悪いことばかりじゃない
ゼロゼロ融資の麻酔も切れ始めて、2023年度、廃業・休業は5万件を数え、倒産も9千件を超えた。対し…
-
2024.02.28
空き家問題ニュース
空き家問題は根深いので間欠泉のようにニュースになる(2月28日日経参照)。有効利用しようとしてもそ…
-
2024.02.14
奈良 正哉
成年後見を使いやすく
認知症高齢者の保護のため後見制度がある。これを使いやすくするための検討がなされている(2月14日日…
奈良 正哉のコラム
-
2024.04.24
奈良 正哉
EVは解なのか
テスラは大苦戦している。EV全体も失速している。EVが順調にシェアを伸ばしていけば、テスラと中国B…
-
2024.04.23
奈良 正哉
物言う社外取締役
機関投資家からの要請で、社外取締役として面談・意見交換を行った。 これまで、社外取締役といえば、…
-
2024.04.22
奈良 正哉
内部通報こそ切り札
内部通報の活用があまり進んでおらず、通報者の30%程度が通報したことを後悔しているとの調査結果があ…
-
2024.04.17
奈良 正哉
紅麹の影響はどこまで
紅麹が問題となった小林製薬は、再発防止策を取締役会で定期に話し合うことにしたそうだ(4月16日日経…