民事信託の信託財産 9
民事信託で財産を承継する場合、財産の保有者=信託の委託者がまだ生きているうちに、信託すべき財産を確定するべく保有財産の調査が始まる。自分の保有している財産であるから本人が生きているうち、かつ意識がしっかりしているうちに調査したほうが、楽に決まっているし漏れも少ない。遺言があっても遺言の内容が包括的な場合、さらに言えば遺言がない場合、亡くなってから本人以外の人が財産の調査をするのは大変である。例えば遺言執行者たる信託銀行や弁護士等が、高い報酬を請求する根拠にもなっている。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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