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倒産法 民事再生法と会社更生法とは何を基準として選ぶのですか。ポイントは何ですか。

 
投稿者
鳥飼総合法律事務所
取扱分野
事業再生・倒産
 

質問

 民事再生法と会社更生法とは何を基準として選ぶのですか。ポイントは何ですか。
回答

1  会社更生法の対象は、株式会社に限られますし、事実上、大企業でなければ会社更生の申立ては認められません。
 従って、有限会社や、協同組合などの株式会社以外の組織及び株式会社でも中小零細企業は、そもそも会社更生手続を選ぶことはできません。
2  大企業であれば、会社更生手続を選択することもできるわけですが、民事再生手続を選択するか、それとも会社更生手続を選択するかは、その会社を取り巻く様々な要因に左右されますので、何か絶対的な基準があって、それに従って機械的に決まるというものではありません。
3  もっとも、一般的には、会社の再建に不可欠な資産についての担保の設定状況や資金援助をする金融機関の意向といったものがポイントになることが多いようです。
4  というのは、次のような理由によります。
 民事再生の場合、抵当権等の担保権はいわゆる別除権にあたり、再生手続とは無関係に権利を実行できます。従って、会社の再建に不可欠な資産に担保権が設定されていると、すべての担保権者との間で別除権の受戻しの合意を取らなければ、再生が不可能になります。しかし、民事再生の場合、申立てから約6か月で債権者集会が開かれることが通常ですから、再建に不可欠な多数の資産に多数の担保権が設定されている場合には、債権者集会までの間にすべての担保権者から合意を取ることは事実上不可能です。
 これに対し、会社更生の場合は、担保権も更生担保権として会社更生手続の中に取り込まれてしまいますし、手続の進行も民事再生と比べると緩やかですから、時間をかけて担保権者の譲歩を引き出すことも可能になってきます。
 よって、会社の再建に不可欠な多数の資産に担保権が設定され、権利関係が複雑な事案の場合には、会社更生を選択した方がよい、ということになります。
 また、会社が会社更生の申立てをする場合、裁判所が資金援助をする金融機関の意向を確認してからでないと申立て自体受け付けません。裁判所が会社更生開始決定を出したのに、二次破綻するようなことがあってはならないという姿勢をとっているためです。
 従って、会社のメイン銀行がこれ以上資金援助しないという姿勢を見せた場合には、会社更生を選択することは、事実上難しくなります。
 これに対し、民事再生の場合は、金融機関の意向いかんにかかわらず、申立て自体は認められます。しかし、メイン銀行が民事再生の申立てに同意していない限り、申立て後は基本的に資金援助を受けられないということになりますので、非常に厳しい資金繰りを強いられることになります。
5  このほかにもポイントになることはあると思いますが、その会社によってポイントは千差万別ですので、一概にはいえません。
(文責 権田修一)

 

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