鳥飼総合法律事務所

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無期転換の準備(無期転換後の労働条件)

 
投稿者
鳥飼総合法律事務所
取扱分野
人事・労務
 

毎晩帰宅するとなぜかウサギに怒られている(足をダンダンされる)堀田です。

 

今回は、無期転換申込があった後の労働条件について書きます。

 

条文からは、原則として、期間の点を除き、現に締結している労働契約と同一の条件となります。

 

ただし、これには例外があり、「別段の定め」がある場合には、それに従うこととなります。

この「別段の定め」には、労働協約、就業規則、個別合意があり得ます。

 

ここで考えなければならないのが、「就業規則」です。

これまでは、会社の中には、以下のような従業員が存在しており、就業規則も以下のような適用関係にあることが多いと思われます。

正社員

正社員就業規則

パート・アルバイト等

パート・アルバイト等就業規則

 

ここでの「正社員」は、おそらく「無期労働契約」の方を想定しており(以下ではこれを前提とします。)、その就業規則もそのことを前提としているでしょう。

 

しかし、「正社員=無期労働契約者」と想定した場合、無期転換申込があった場合には、以下のような構造になります。

正社員

従来からの正社員(無期労働契約)

正社員就業規則

無期転換による正社員(無期労働契約)

正社員就業規則??

      パート・アルバイト等

パート・アルバイト等就業規則

 

このように、「正社員」に2類型が出てくることになります。その場合に、何らの対策もしていないと、「従来からの正社員」に適用されてきた正社員就業規則が、「無期転換による正社員」にも適用されるという可能性があるというリスクがあります。

最終的には、就業規則の規定の趣旨や、「正社員」をどのように定義しているか(単に「無期労働契約者」としていた場合には、「無期転換による正社員」もこれに含まれるでしょう。)などによって決まることになります。しかし、「従来からの正社員」と「無期転換による正社員」とでは、元々は異なる役割を期待され、それに伴い、勤務時間や勤務場所、定年の有無なども異なっていたはずで、それを前提として「正社員就業規則」の規定を作っているはずです。そうなると従来からの正社員を想定して作成していた「正社員就業規則」が「無期転換による正社員」にも適用されることは予期しないことだと思われます。

 

そのためにも、「正社員就業規則」が適用される「正社員」の定義を限定し、これとは別に、無期転換正社員の就業規則を作るなり、「正社員就業規則」の規定中に「ただし、無期転換による者は除く」といった趣旨の定めを追加する(その場合、無期転換による者の処遇を別に定めましょう)といった、「就業規則の整備」が必要となります。

 

このことは、同時に、社内の人材戦略全体を見直す必要があるということであり、実際に、そのような効果も期待されています。

 

次回からは、少し論点的なところを書いていきます。

鳥飼総合法律事務所

弁護士 堀田陽平

 

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