鳥飼総合法律事務所

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無期転換の準備(無期転換申込の効果)

 
投稿者
堀田陽平
取扱分野
人事・労務
 

どうも、正月に激太りした堀田です。

 

これまで、無期転換申込権がどういう場合に生じるかといった「要件」(条件)について書いてきましたが、今回からは、「要件」を満たし、無期転換申込権が発生し、これが行使された場合の「効果」(結果)について書いていきたいと思います。

 

同一の使用者との間で締結された2つ以上の有期労働契約の通算期間が5年を超える労働者が、「無期雇用にしてください」(いわゆる「正社員」と考えてもらってよいです。)と、その使用者に申し込んだ場合、その有期労働契約が期間満了した「翌日」の労働契約から、無期労働契約となります。

簡単に、1年更新の場合で説明すると、

①<1年>②<1年>③<1年>④<1年>⑤<1年>⑥<1年>⑦<無期>

とあった場合に、⑥の1年の間に、無期転換の申し込みをすれば、⑦からは無期労働契約となります。

 

この場合、いつから無期労働契約が成立するか、という問題があります。

この点については、無期転換の申し込みがあった時点で、「期間満了の翌日から始まる無期労働契約」が成立していると考えられています(始期付の契約です)(平成24年8月10日付け基発0810第2号参照)。

つまり、上記⑥の時点で、無期転換申込がされると、⑥の期間中は、「従来からある有期労働契約」と、「⑦を始期とする無期労働契約」が併存するという形になるとされています。

 

このように解する実益は、仮に、⑥の期間中、無期転換申込があった後に、会社が「有期労働契約の更新をしない」としたとしても、既に無期雇用契約が成立しているので、上記⑦からは無期労働契約が始まります。

さらに、⑥の期間中に無期転換申込がされた後に「無期労働契約もなしにする」としようとする場合、始期はまだですが既に契約自体は成立しているので、採用内定と同じように、解雇権濫用の制限を受け、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない限り、無期労働契約をなしにすることはできません。

他方、無期転換を申込んだ従業員から、無期転換申込を撤回することは、内定辞退と同様に考えられ、2週間前の予告期間を置く限りにおいて有効と解されます。

 

次回は、無期転換後の労働条件について書きたいと思います。

鳥飼総合法律事務所 

弁護士 堀田陽平

 

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