社外役員の独立性

 先だっての株主総会では、社外役員選任議案について、その独立性への疑問からかなりの反対票が出たとの報道がある(7月9日日経)。三菱、三井といった同じグループ内の企業出身の役員は、独立性に疑問を持たれても仕方がないだろう。実際、役員OB人事の一環として、グループ内他企業への社外役員としての「異動」もあるかもしれない。その場合の処遇は、企業間の人事マターであり、役員個人の力量や経験で定まるところばかりでなはいこともありそうだ。こうした報道がなされると、社外役員の独立性を厳しく問う姿勢は、機関投資家だけでなく、一般個人投資家にも広がり、会社としては社外役員候補の選定も慎重にならざるを得ない。企業トップとしては頭の痛い問題がまたクローズアップされつつある。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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