「企業統治、日本7位」

 「企業統治、日本7位に後退(12月14日日経)」とあるから、世界で7位かと思ったら、アジアでの順位であった。日本の上位には、オーストラリア、香港、シンガポール等英国流の企業統治体制のあると思われる国の他、マレーシア、台湾、タイも日本より上だ。日本の経済の規模は中国に抜かれて久しいが、経済の質の根幹たる企業統治まで「かつての大国」になってしまいそうだ。企業統治はまずは形式が重要だ。「仏作ってから魂は入れる」のであって魂だけが仏から遊離して存在することはない。その意味で、委員会も外部役員も女性役員もまずは整えることが重要だ。日産はグローバル企業でかつトップも外国人であったのに、企業統治の体制は監査役会設置会社という、日本古来の体制のままだった。このほうが独裁者に都合がいいから改革の埒外に置いたのだろう。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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