日大アメフト部

 今回の事件で日大の危機管理学部は機能しなかったようだ。おそらく相談もされていないだろう。事件はもちろん当事者が起こしたものだが、報道を見る限り、その後の対応もすべて当事者限りでやっているようだ。アメフト部には監督以外に部長教授がいるだろう。大学としては理事会もあるだろう。学長もいるだろう。これらの組織がまったく見えてこない。危機管理は内部においては組織をいかに動員するかが問題となるが、日大を見る限り組織はないに等しいかの印象を受ける。企業は会社法で内部統制の仕組みの設置と運営を厳しく求められるが、日大に限らず大学は、統制以前の問題として、実質的に組織が存在するのかさえ疑わしいのかもしれない。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

関連するコラム

奈良 正哉のコラム

一覧へ