外貨建て保険の違和感
銀行が窓販する生命保険の主流は、オーストラリアドル建てなどの外貨建てだ(3月14日日経参照)。理由は簡単で、日本円建てだと銀行や生保が販売手数料などを取ってしまうと表面利回りが出ないからだ。購入する高齢者の多くは、オーストラリアドルの相場はもちろん、オーストラリアの政治経済状況もほとんど知らないだろう。それなのに、世界にさまざまな通貨がある中で、決め打ちで特定通貨の為替リスクを取ることになる。トラブルに発展するのは当然とも言える。そもそも為替リスクを的確かつわかりやすく高齢者に説明できる行員がいるのだろうか。筆者は長年為替リスクを取る仕事をしてきたが、為替がわかったような気がしたことは一度もない。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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