昔懐かし損失補填

 東郷証券という会社がFX取引の損失補填をやっていたらしい(2月5日日経)。損失補填といえば、バブル崩壊後、大手証券会社と大手企業との間で数多くやられて、当然罰が下り、世間的にも注目を集めた禁じ手中の禁じ手だ。これが今頃また出てきたことに軽い驚きを覚える。同社は2002年設立だから、損失補填が問題になっている頃には開業していないのだろうが、それにしても歴史を学ばないのだろうか。「イケイケ」で業容を拡大した新興企業のコンプライアンスの甘さというか、経営経験の浅さが招いた結果だろう。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

関連するコラム

奈良 正哉のコラム

一覧へ